こんにちは。
放射技術ゼミナールです。
今回は「放射線取扱主任者」について
お話ししたいと思います。
放射線技師を志している人なら、一度は耳にしたことがある資格ではないでしょうか?
私も学生時代にゼミの先生に勧められて、
第1種放射線取扱主任者を取得しました。
知らない方のために簡単に説明しておくと…
放射線取扱主任者とは、
「放射線を発生する装置が適切かつ安全に利用できるよう管理し、現場を監督することの出来る資格」です!
| 第1種 | 第2種 | 第3種 |
試験 | 〇 | 〇 | なし |
講習 | あり(試験後) | あり(試験後) | あり(2日間) |
合格率 | 20~30% | 20~30% | × |
費用 | 約18万円 | 約12万円 | 約10万円 |
[鈴木1]
試験の概要についてまとめてみました!
いかがでしょうか?
第一印象は、
結構お金かかるな....って感じでしょうか?
試験代はどれも1万円程度で安いのですが、
いずれも「講習代」が高いため、
費用がかさんでしまうのがネックですね...
ここで、皆さん一番気になるところかと思いますが、
Q:「1種と2種と3種はどう違うの?」
A:「扱える放射線の種類・量が変わります!」
それぞれについて簡単に述べると、
第1種:非密封・密封RIどちらも取扱OK
第2種:密封RIのみ取扱OK
第3種:密封RIでかつ、下限数量の1000倍以下のみ取扱OK
※下限数量の1000倍以下は、計測機器などの校正線源レベルです(とても微量な放射線量)
また、
それぞれの「難易度」についてですが、
分かりやすく「国家試験」で例えてみますと....
第1種:国家試験の”倍以上”に難しい...
第2種:国家試験レベル(物理・化学が得意なら結構カンタンかも?)
こんな感じでしょうか。
第3種は講習を受ければ誰でも取得出来ますので、割愛します。
取扱主任者の試験では物理・化学・計測などの、
理系教科に絞って沢山問題が出題されます。
この辺に苦手意識がある方は苦労するかと思います....
また、
この資格について、
よくこんなご相談を受けます。
Q:「就活を有利に進めたいので、第1種取扱主任者試験を受けるか悩んでいます」
A:現場で働いている者から意見を言うと、
ハッキリ言って役立つかすごーく微妙です...
どうしてかというと…
大規模な病院では大体、上の方が既にお持ちな事が多いので正直必要ではありません。
一方で、
小規模病院・クリニックでは持っている方がほとんどいません。
しかし、
取扱主任者として医師・歯科医師を代わりとすることが法律上、認められているので、
これで代用していることがほとんどです。
結論:絶対に取扱主任者を持っている方を雇いたい!という病院はないです。
しかし、
原子力関連施設、PET検査薬製造施設、その他研究職・医療機器技術職など、
医療などで利用される放射線量よりも遥かに大きな放射線を取り扱う現場においてはとても重宝される事が多いようです。
次に、よく受ける質問はこちらです。
Q:「持ってたら資格手当で給料増えるの?」
A:実際に取扱主任者を持っていることで資格手当を付与している病院は、ほとんどありません...
資格を取るまでに結構な金額がかかる割には、
手当なしなんて...
正直割に合わない資格だな、
と個人的には感じています。
ただし、
国家試験の勉強の「延長」として、
受けることはとても良い事だと思います!
特に物理・化学・計測分野についてはより深い知識が求められますので、
自分の知識向上・スキルアップには最適だと思います。
長くなりましたので、まとめますと、
【メリット】
就活時に、資格欄に書けることで「箔」がつく。
【デメリット】
正直そこまで有利かと言われると微妙なところ
資格手当を付与してくれる病院はあまりない。
ただし、国家試験の勉強のついでに取得してしまうのは、とても良い事ですので
チャレンジしてみる甲斐はあるかと思います。
(働いてからだと勉強時間も取れませんし...)
いかがでしたでしょうか?
将来のご自分の働き方や、活躍の場などを考えて受験を考えてみてください!
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